「平成の歌姫」といわれる浜崎あゆみの、自身の恋愛を元に描かれた小説「M 愛すべき人がいて」(幻冬舎)が2019年8月1日に発売され、大きな話題になりました。
「M」といえば、2000年にリリースされ、オリコンの首位を獲得した大ヒット曲のタイトル。
実は、この曲は、浜崎あゆみが初めて作詞作曲をしたもので、本人にとっても思い入れのある曲であることは間違えないでしょう。
今回は、小説によって暴露された「真実」から、そんな「M」の歌詞に隠された(込められた)意味を、改めて考えてみたいと思います。
CONTENTS
「M」の存在
これまでの一般的な解釈
「M」のタイトルは、歌詞の中にも出てくる「MARIA(マリア)」の頭文字「M」だとされてきました。
PV映像やライブ演出も「教会」をモチーフにしたものが多く、また、浜崎あゆみ自身も、歌番組などで「M」は「MARIA(マリア)」の意味であることを肯定していました。
小説で暴露された真実
ところが一転。
小説「M 愛すべき人がいて」が発売されたことで、「M」は「MARIA(マリア)」の頭文字ではなく、浜崎あゆみのプロデューサーであり、所属するレコード会社の会長「松浦勝人」氏であることが公表されました。
「(当時)携帯電話の電話帳に愛する彼を「M」というイニシャルで登録をしていた」
このことが由来だったそうです。
小説で「自分の身を滅ぼすほど、ひとりの男性を愛しました」と表現するほど、浜崎あゆみにとって、松浦氏との交際は一生に一度の大恋愛だったそう。
飛び交う憶測
しかし、松浦氏は実は既婚者。
1995年にモデルの原口香と結婚した後、1996年に離婚。浜崎あゆみと交際していたのは、1998年〜1999年の1年程だとされていますが、「枕営業」「不倫」だったのではないか?との憶測が飛び交っています。
「M」に込められた想い
歌詞の言葉
松浦氏との恋愛は、無名だった時代から「浜崎あゆみ」という歌手(トップスター)として芸能界で上り詰めていく道のりと共にあり、常に激動であったことが想像されます。
2人は 歌手とプロデューサーとして運命的に出逢い、誰にも止められぬ程 急速に恋に落ちていきました。浜崎あゆみからすれば 松浦氏は15歳も年上の男性で、自分を憧れの世界(新しい世界)へと力強くエスコートしてくれる存在として現れたのです。
「俺を信じろ」そうやって浜崎あゆみの可能性を誰よりも信じて、デビューのために尽力してくれた松浦氏。憧れや信頼から、恋愛感情に変わっていっても不思議ではありません。
しかし、そこには孤独がつきまといます。決して公にはできない孤独。トップスターならではのプレッシャーと孤独。もしくは、愛する人がいる故の(こんなに愛しているのに繋がれない)孤独かもしれません・・・だけど結局愛しているから、(気持ちがまた)戻ってしまう。冒頭に「愛すべき人」とあるように、「すべき」という言葉を使っているところに、浜崎あゆみの気持ちが感じられます。
そして、2人の別れの兆しがきます。多忙が故に関係に溝ができたとされていますが、直接的な原因となったのは、知りたくなかった事実(仕事で多忙なはずの松浦氏の女遊び)への目撃だったそうで、浜崎あゆみは失意のまま失踪してしまうほどでした。
人生がめまぐるしく変化していく中、気がついたときには、あっという間に「終わり」が訪れた感覚だったのでしょう。そして、終わりが感じられるようになった今だからこそ、出逢ったときのことを鮮明に思い出す。激しく幕が開いたのが、静かに降りていく・・・浜崎あゆみの松浦氏に対する気持ちの高ぶりと冷めていく様子が伝わります。
1998年に発売された『Trust』では「恋が皆いつか終わるわけじゃない」となっていた想いがいつしか「全てには必ず終わりが来る」となっていて、悲しい覚悟(諦めなきゃいけないという気持ち)が、痛いほど伝わってきます。一生に一度の「大恋愛」であっても、立場上終わらせなければならない日が来ると、心のどこかで分かっていたのでしょう。
多くの人たちの、たった1つの恋愛。そのことも分かっていながら、でもそれが「誰か」の恋愛だから、リアリティーがある。
歌手としては「大成功」だったかもしれませんが、1人の女性の人生としてはやはり翻弄され、振り回された面も否めないのではないでしょうか。松浦氏を愛したからこそ、こんなにも傷つき、だけどだからこそ、あの「浜崎あゆみ」の才能が開花し、前に進んでこれた。
「終わっている」と分かっているけど、それでもこれが人生に一度の大恋愛であることが、そのときすでに分かっていたのではないでしょうか。
それと同時に公開ラブレターとして、やはり浜崎あゆみが松浦氏に、こんなにも想っているということを伝えたかったのだと思います。
「理由」では始められなかったような恋愛・・・
でも「終わらせなきゃいけない」運命に2人にはあった。
PV・ライブ演出
PVやライブで使用されている衣装も、聖母マリアのイメージ(処女性を象徴する水色×白が一般的)ではなく、まさに「ウエディングドレス」です。
このウエディングドレスは、浜崎あゆみの「松浦氏との結婚」という「夢」の現れだったのでしょうか・・・?
浜崎あゆみと松浦氏は、一時、エイベックス幹部からの猛反対を押しのけて同棲しており、少なくとも浜崎あゆみは、結婚を強く意識していたと考えても不思議ではありません。
このライブのときの浜崎あゆみはとても綺麗で、その分、とても切なさが増しますね。
また、 PVでは、ウエディングドレス風の白いドレスを着ている浜崎あゆみと対照的に、黒のパンツルックの浜崎あゆみが1人2役で登場しています。
白はおそらく、浜崎あゆみの松浦氏に対する”純粋な愛情”の象徴。
そして「一生に一度の運命」だと信じたい、尊い女神(マリア)の象徴・・・
黒はおそらく、現実に対する非情なき残酷さ。
そして「罪の意識」の象徴とも取れるのではないでしょうか・・・?
現在の話題
世間(ファン)のザワつき
「M」の正体が「松浦」氏と判明したことでの、世間(ファン)の反応は、批判的なものと賞賛的なものに割れているようです。
(1)知りたくなかった!!!
どうしても真実を知ってしまったから聴くと松浦さんの顔しか浮かばない。なにも知らないほうが普通に聴けてたのになぁー。
いい歌だっただけに暴露は嫌だったな…実話だったとしても。
(2)「M」が長瀬智也だと思ってた!!!
Maria…(´-ω-`)…長瀬の事じゃ なかったのね…(ーー;)
まさか名曲Mがマリアでなくてマサに捧げる歌だなんて誰も思いもしなかったろうよ…
(3)曲のすばらしさは変わらない!!!
別に松浦と関係があったからってこの曲の良さは変わらなくない? むしろええやん
この恋愛がなかったらMの曲はできていないわけか
暴露とか以前にこの曲はとってもいい曲
(4)曲の背景を知ってさらに深まった!!!
批判的なコメントが多いですがわたしは暴露によって人間臭くて、この曲がもっとよく聞こえました
この背景を知って聞く曲がさらに深いものになって、また浜崎あゆみの曲を聴きたくなった
読み終えたあと、あのときのMDをひっぱり出して、あゆの曲を聴き、泣きました
その他の影響を受けた曲
「M」以外にも、浜崎あゆみが松浦氏との恋愛を通して生まれたとされる、名曲の数々をご紹介したいと思います。
(1)浜崎あゆみが松浦氏に片思いをしていたときにできた曲
『poker face』『YOU 』
(2)浜崎あゆみが松浦氏と交際していたときにできた曲
『For My Dear…』『Trust』『Depend on you』『 Boys & Girls』『appears』
(3)浜崎あゆみが松浦氏との破局(失恋)を受けてできた曲
『vogue』『Far away』『SEASONS』
※ファンの間では「絶望3部作」として知られています
(4)浜崎あゆみが松浦氏への消えぬ想いを表現した曲
『Part of me 』『HANABI ~episode II~ 』
ドラマ化の主題歌
さらにその後、同小説のドラマ化(2020年春、テレビ朝日)決定が発表されました。
配役もどうなるか話題になっていますが、同時に気になるのが、ドラマの主題歌ですよね。
現在のところ、有力候補は・・・
(1)浜崎あゆみの新曲
(2)「M」のリメイク版
(3)そのまま「M」
となっているようです。
浜崎あゆみ役・最有力候補の「安斉かれん(シンガーソングライター)」の楽曲もしくはカバーになるのでは?という予想もありますが、この可能性はかなり低いようです。
「M」歌詞に込められた意味のまとめ
背景を知ってから改めて聴くと、当時の「ヒット曲(有名な曲)」の裏に秘められた、1人の女性(浜崎あゆみ)の人生を変える大恋愛に、切なさを感じずにはいられません・・・
華やかな芸能界で「カリスマ歌姫」と称された浜崎あゆみも、好きな人(目の前の男性)に一喜一憂しながら、日々悩み、それでも幸せを求める1人の、普通の女性なんだということが感じられます。
当時、そんな想いを胸に秘めながらも、公にはできずに「M」を歌っていた彼女の心境は、どのようなものだったのでしょうか・・・
想像するだけで、胸がぎゅっと締め付けられる想いがすると同時に、そんな全ての想いを音楽で表現し、歌うことで人生を乗り越えてきた浜崎あゆみは、まさしく「歌手」「アーティスト」なのだと思いました。
「真実(背景)」を知った上で、改めて名曲「M」を聴いてみてはいかがでしょうか?
特にオススメのライブ映像はこちらからぜひお聴きください!♡(表情にも注目です!)
https://www.youtube.com/watch?v=BY8UItE-uZk https://www.youtube.com/watch?v=n3wKudm8arQ