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電脳雑技集団のSpiral買収には実話モデルがあった
尾上松也が社長を演じるSpiral社。
『半沢直樹2』では、東京中央銀行がSpiralのライバル社である電脳雑技集団に持ちかけ、Spiral社の敵対的買収を決行。時間外取引により株の30%を保有されてしまいます。
あと20%以上の株式取得をされ過半数を超えると、Spiralは電脳雑技集団に支配権を奪われ、子会社にされてしまう可能性があります。
『半沢直樹2』では、この、
「Spiral」+半沢直樹
VS
「電脳雑技集団」+東京中央銀行
の対立がストーリーのメインとなっていきます。
そしてこの対立の発端となった、電脳雑技集団のSpiral買収。実は元ネタとなる、実際のモデルがあったことが明らかになっています…!
実話モデルになったのが『ライブドア事件』
電脳雑技集団によるSpiralの時間外取引による敵対的買収。
実はこの元ネタとなったと言われているのが実際にあった、2004−5年の『ライブドア事件』です。社長の堀江貴文(ホリエモン)が懲役刑になったことで覚えている方も多いのではないでしょうか?
『ライブドア事件』とは
ライブドアは当時、急速な事業拡大をみせるITベンチャー企業として注目を浴びていました。
そんな中で起こったのが「ニッポン放送株をめぐるフジテレビとの対立」です。
まず前提として「ニッポン放送(ラジオ)」と「フジテレビ」は同じフジサンケイグループでした。実質はもちろんフジテレビの力が中心。にも関わらず、それまでの複雑な事情から、親会社はニッポン放送といういびつな構造になっていました。
この構造を正すために公開買付け(TOB)を発表。しかし、このことにすでに目を付けていたライブドア及びその子会社が、わずか30分の間に東京証券取引所の時間外取引で発行済み株式の29.5%を追加取得、ライブドアは取得済みの株式を加えて35%を占める事実上の筆頭株主となったのです。
つまり『半沢直樹2』のSpiralと同様、支配権を奪われ、子会社にされてしまう可能性が濃厚に…!しかもこの場合、ニッポン放送だけではなくその子会社であるフジテレビまでもがライブドアの支配下に置かれてしまいかねない状況となったのです。
想像してみるとちょっとすごいですよね…?
この敵対的買収(同意なしの買収)に、もちろんフジテレビはそれに反発。そこから様々な攻防戦が繰り広げられることになりました。
※『半沢直樹2』ではSpiralの方がライブドアっぽい設定ですが、買収関係においては逆の立場なのでそこは注意。
さらに理解したい方は「中田敦彦のYouTube大学」での【動画】でぜひご覧ください→
『ライブドア事件』のその後と『半沢直樹2』のその後の展開予想は?
『ライブドア事件』のその後
最終的には両企業が業務提携を結ぶとともに、ライブドアが保有していたニッポン放送株をフジテレビに譲渡し、和解に至りました。
しかしそこに至るまでは、裁判所、金融サービス会社、証券会社、労働組合、それぞれの子会社が巻き込まれる壮大な攻防戦が展開され、日本経済を揺るがす大きな事件に…
さらにその後は「偽計及び風説の流布容疑」「有価証券報告書虚偽記載容疑」へと問題が発展していき、ご存知の通り、社長であった堀江貴文の逮捕へとつながりました。
また、株式の時間外取引は「ライブドア事件」をきっかけに法律を改正、規制が厳しくなったそうです。
『半沢直樹2』のその後の展開は?
時間外取引での奇襲攻撃って、前半はライブドア事件がモデルかな
電脳の末路がライブドアと一緒なら粉飾発覚···からの伊佐山と副頭取が破滅ってところかな#半沢直樹— 馬油 (@horseoil2424) July 19, 2020
全く同じ展開ではないでしょうが、今回も現実とのいろんな伏線が仕込まれているはず。あっと驚くような結末に圧倒されるのが楽しみでなりません…!
第1話オンエア翌日にリアル『半沢直樹』事件発生!?
昨日の半沢直樹と同じようなことが、今大戸屋とコロワイドの間で起きようとしている…!https://t.co/jUT69uB5OQ
— フトメン (@futomen) July 20, 2020
「コロワイド」の「大戸屋ホールディングス(HD)」に対するTOB(株式公開買い付け)について、両社の争いが敵対的買収へと発展することが明らかに。
「コロワイドは大戸屋の経営理念を軽んじ、あるいは否定している」「コロワイド傘下になったら退社する」と訴え、大戸屋の執行役員直営事業部長などが記者会見を開きました。
ふとトレンドみたら大戸屋とコロワイドのTOBの事が載っててきっとここにも半沢直樹的なことがあるんだろうなあと。「大戸屋の心をコロワイドなんかに売り渡していいんですか!!!」とか。
— コア助 (@CORE_SUKE) July 19, 2020
大戸屋買い付けの件、あまりにも既視感があると思ったら昨日の半沢直樹のシナリオとそっくりだった。
— ユッケ (@tweetosakana) July 20, 2020
半沢直樹で敵対的買収の話がありましたが、日系企業による敵対的TOBの成功事例はほとんどありません。
ぼくの知りうる限りではソレキアの案件と伊藤忠によるデサントの案件。数少ない成功事例に大戸屋が入るかどうかこれから(´・ω・`)— たこす@現役メガバンカー (@megabankerblog) July 19, 2020
『半沢直樹2』のストーリー展開と同時に、こちらの件もどうなるか目が離せない展開となりそうです…!